どこにでもいる、しかし人より少しIT知識に詳しい中学生、【情田こぼる】。
彼女の両親が金融系のエンジニアだった事から、「こぼる」と名付けられた。
こぼるはiPhoneを使いこなし、暇さえあれば『iPhone』とググっている。
その日はいつも通り、暇な時間にiPhoneをいじっていた。
「桃鉄は不滅だわー」
ゲームをする、こぼる。
その時突如、晴れの空に閃光が走り、こぼるのiPhoneに目がけて光が迫ってきた。
「キャー!!」
思わずiPhoneから手を離し、地面にiPhoneが落下する。
こぼるがしばらく呆然としていると、落としたiPhoneから謎の声が聞こえた。
「過去最高の美しさを誇るコンピュータ。私がいないとインパクト不足だ…」
おそるおそるiPhoneに目を落とすと、こぼるがiPhoneに付けていたストラップ『ジョブリンゴ』が喋っている。
ストラップは続けた。
「天国の門番が使っているiPadをハックしたため、復活する事ができた。こぼる、世話になる。」
(なんだこれ…)
ITに詳しいこぼるは、Retinaディスプレイのコンピュータについて、勿論知っている。
少々混乱したものの、「ジョブズが降臨した」以前に、「ストラップが喋った」事こそ、おかしな出来事だ。
「天国の門番と契約した。こぼるを資格試験に合格させる。」
普通の女子なら、そんな気持ちの悪いストラップを外し放置して帰るところだったが、
こぼるはジョブズを尊敬していたため、感動している。
「先生お願いさーす!!!」
テンションが最高になった。
こぼるが資格試験に凝り出した、はじまりの日。